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【お線香の話】


お線香はいったい何でできているの?


お線香は、使用している主な原材料によって、2種類に分かれています。
ひとつは、内仏用(匂い線香)と呼ばれるもので、椨(たぶ)という木の皮を粉にし、それを基礎原料として作ります。
主にお仏壇用や煎茶の席などに使用されたりするものです。
もうひとつは杉の葉を原料とした杉線香といわれるものです。
またお線香の長さや、包装形態、一般家庭や寺院、進物などの洋と、原材料となる香料、煙の量によって、さまざまな種類に分かれています。

香料には、白檀(びゃくだん)や丁字(ちょうじ)、沈香(じんこう)、桂皮(ニッキ)、大尚香(だいういきょう)、乳香(にゅうこう)、伽羅(きゃら)などの植物性香料やや、麝香(じゃこう)、龍涎香(りゅうぜんこう)などの動物性香料、また合成香料などがあります。



主な天然香料

椨の木
クスノキ科の植物で、大木になると高さ25mにもなります。樹皮はお線香の材料に使われるほか、黄八丈(きはちじょう)の染料ともなり、果実からは蝋(ろう)をとります。


大木は高さ75mにもなり、樹齢3000年を超すものもあります。杉の葉をお線香の材料に使うほか、幹がまっすぐに育つので建材や家具などに使われます。

白檀
ビャクダン科の中高木。インドが原産地。古くから宗教と結びつき珍重されてきました。

丁字
「クローブ」という名で料理の香辛料としても利用されています。古来より医療用にも使用されています。

沈香
東南アジアのごく限られた常緑高木mの枯れ木、倒木に、まれに樹液が凝縮してできる貴重な香木。

伽羅
沈香の一種で、その香りは「大宮人のごとし」と表現され、最も品位のあるといわれている香木です。

大尚香
別名「スターア」とも呼ばれる木で、中国南西部が原産。香辛料としても使われています。

乳香
乳香樹の樹脂で、南アラビア、東北アフリカが原産でキリスト教と深く結びついている香料。

桂皮
「シナモン」「ニッキ」と呼ばれる香料で、中国・東南アジアが原産。香辛料としても使用されています。

麝香
ジャコウ鹿の雄から採る香料。昔から強心剤や解毒剤として使われてきました。

龍涎香
抹香鯨(マッコウクジラ)のからだから採る極めて珍しい香料。別名「アンバー」と呼ばれています。



ご先祖様にお香をたむけるのは、どんな意味があるの?

お香には、気分をやすらげる鎮静作用があるといわれています。
仏典によると、お釈迦様が「香は部屋のなかで炷(た)きなさい。
そしてその中へ入り、気を静めて無の境地になりなさい」と説教したとあります。
お香はいわゆる「俗塵(ぞくじん)を清める」ものちして、現在も各宗派で利用されていますが、同時に「心を清める」ものとして、昔から使われていたようです。
現代では「アロマテラピー(芳香心理学)」「聞香(もんこう)療法」など、お香が心身の健康におよぼす影響を科学的に利用する方法がさかんに行われています。
ご仏前ではお香を炷いて無の境地になり、祈念を込めてご先祖とお話をしたいものです。



ご先祖様にお線香を供えるための正しい作法がありますか?

お線香を炷くときのかたちは、宗派によって異なります。
たとえばお線香をねかせるようにお供えする宗派もあり、別の宗派では香炉に立てます。
あるいはお供えするお線香が1本の場合もあれば、3本、5本、7本という場合もあり、宗派によって定式は異なります。
一般的には、「仏法増(ぶっぽうぞう)」の原理にしたがい、香炉のなかで三角形になるように1本ずつ三方に立てることが多いようです。
また点火したあと、息を吹きかけて炎を消すことは避けたいものです。



お香は、お線香など仏事だけのもの?

お香は聖書にも記されているほど歴史の古いものです。
古代エジプトのツタンカーメン王墓には香膏(こうこう)が使用され、クレオパトラの「武器」が香料であったことも、周知のことです。
日本のお香についての歴史は、日本書紀に記述されている、推古天皇の3年(595年)『沈香が淡路島に漂着した』というものが最初ですが、いずれにしても、仏教伝来とともに始まったといえるでしょう。
以来平安時代にはお香が大流行し、室町時代には香道が誕生し、やがて茶道でも用いられるようになります。
いわばお香は仏教文化のみならず、奈良時代にはじまり現代にいたるまで、ひとつの文化を形成してきたのです。
一説によると、江戸時代の初期、それまで丸薬などのかたちだったお香を線形にする「お線香」の技術が中国から伝えられ、仏事にお線香をは欠かせないものとなっています。
一方現代生活のなかでリラクゼーションやレクリエーションとして、お香が注目されています。
ひととき、お香をくゆらせて心のゆとりを楽しんでみてはいかがでしょう。



お線香を使う仏教の年中行事には、どんなものがあるの?

お線香は、気持ちをやわらげ落ちつける作用があり、仏教のあらゆる宗派でお線香が用いられていますが、弔事(ちょうじ)ばかりでなく仏式では結婚式にもお線香を炷きます。
ふだんご家庭でご利用になるのは、お釈迦さまのお誕生日である花まつり、ご先祖をお迎えするお盆やお彼岸、年中の邪気を払って新年を迎える大晦日のお清めなどがあります。
一年の節目にはお香を炷いてお過ごし下さい。
また日々のお仏壇へのお勤めやご命日、月のご命日、あるいはご先祖様とお話しされるときなど、お線香をお供えください。



4月18日はお香の日

日本のお香についての歴史のはじまりである「595年の4月、淡路島に沈香が漂着した」との記述に基づき4月を、また「香」の字を「一十八日」と読み、合わせて4月18日を「お香の日」としています。




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